お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

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低血圧を改善する効果的な入浴法

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高血圧にくらべて、低血圧は重篤な事態を招かないイメージですが、「朝起きるのが苦手」「疲れやすい」などは、女性にとって気になる症状と思われます。実はこれといった治療法が無いとされ、倦怠感などを訴えても「たるんでいる!」と一蹴されるなど、辛さをわかってもらえない事も。しんどい低血圧を、お風呂のアロマレシピで上手にメンテナンスしましょう。お風呂は低血圧の改善に大いに役立ってくれる強い味方ですよ。

※ご注意※ 通院中の方、体に不調を抱えている方は医師や専門家に相談のうえで入浴してください。 また、下記の精油は低血圧の方は使用を避けて下さい。
 

【使用できない精油】

クラリセージ、フェンネル、マージョラム、マンダリン、レモン、ラベンダー 他にも使用できない精油がありますので、ご使用の際は医師や専門家にご相談ください。

◆低血圧によるたちくらみに効果のあるレシピ◆

ユーカリ×3滴

ティーツリー×2滴

ゼラニウム×1滴

頭をスッキリさせることに重点をおきユーカリを3、ティーツリーを2、自律神経を整えるゼラニウムを1、というブレンドにしました。

~使用するエッセンシャルオイルについて~

【ユーカリ】

スッキリとしたハーブを感じさせる澄んだ香り。気分をリフレッシュさせてくれます。老廃物を排出し血液循環をよくしてくれます。

【ティーツリー】

シャープで爽やかなグリーン系の香り。香りが頭をスッキリさせてくれます。

【ゼラニウム】

バラに似た強めの甘い香りにミントを合わせたようなハーバルな香り。自律神経のバランスを整えてくれる代表的な精油です。

◎香りのイメージ

爽快感のあるユーカリとティトゥリーをメインにしても、きちんとフローラルな甘さも主張できるゼラニウムを合わせた、ほんのりフローラルな爽快な香りです。

~血流の変化が立ちくらみへ~

たちくらみは座った姿勢から急に立ち上がったときに、ふっと意識が遠のく、めまいやふらつきを感じる症状です。一時的に脳に十分な血液が行き届かなくなり、酸素が不足している時に起こるものです。 入浴の温かさで血行を良くする事で、低血圧の症状改善を期待できると思います。 ただし、湯船から立ち上がった際に脳の血流が少なくなり、倒れてしまう事もあるので、 温度は40℃より低い温度がおすすめです。

◆低血圧で朝起きるのがつらい時のアロマレシピ◆

ジュニパー×2滴

サイプレス×2滴

ローズマリー×2滴

どの精油も自律神経を整え頭をスッキリさせる作用を持ち合わせています。香りのバランスからみても同比率でいいかと思います。

~使用するエッセンシャルオイルについて~

【ジュニパー】

軽やかなウッディ調の香り。デトックス作用が高く血液の循環を促します。また、自律神経を整え精神を安定させてくれます。

【サイプレス】

森林浴をしているかのような爽やかな香り。心拍数と呼吸を抑える作用や、ホルモンバランスを調整する作用もあり、自律神経を整えてくれます。

【ローズマリー】

スーッと吸い込みたくなるようなハーバル調でシャープな香り。うっ血除去作用や粘液溶解作用がある1.8シネオールという成分が多く含まれており、血液の循環を促進する作用があります。

◎香りのイメージ

ウッディだけれど、爽やかなジュニパーと、森林浴気分になれるサイプレス、さらにシャープなローズマリーの香りを合わせることによって、すっきりとして朝のスタートが切れると思います。

~朝に弱い人の体の仕組み~

低血圧で朝起きるのがつらい理由は主に2つあります。 ひとつは眠りから覚める時に、血圧を上昇させるホルモンがゆっくりのため、体がなかなか目覚めず活動的な気持ちになりにくいようです。 もうひとつは、低血圧の人=低体温であることが多く、血行が悪い状態にあります。目が覚めてもエネルギーが湧かず、体を動かすのが億劫になります。 そんなつらい朝、お風呂にはいるとシャキッと目覚めることができます。 特に40℃以上の熱いお湯は交感神経を刺激し、体を「活動モード」に切り替えやすくしてくれます。時間に余裕がない方はシャワーでも良いでしょう。 「朝のお風呂が楽しみだから早起きする!」そんな生活習慣になったら、一石二鳥ですね。

◆低血圧の改善(予防)するアロマレシピ◆

ゼラニウム×3滴

ローズマリー×2滴

ペパーミント×1滴

自律神経を長期的に整えていくということを目的にゼラニウムを3、ローズマリーの血圧を上げる作用も加え2、ペパーミントの万能作用を1、というブレンドにしました。

~使用するエッセンシャルオイルについて~

【ローズマリー】

スーッと吸い込みたくなるようなハーバル調でシャープな香り。うっ血除去作用や粘液溶解作用がある1.8シネオールという成分が多く含まれており、血液の循環を促進する作用があります。

【ペパーミント】

爽やかなメントールが特徴の香り。爽やかなメントールが脳を刺激して頭をクリアにしてくれます。ペパーミントは多くの効能を持ち合わせている体質改善におすすめの精油です。

【ゼラニウム】

バラに似た強めの甘い香りにミントを合わせたようなハーバルな香り。自律神経のバランスを整えてくれる代表的な精油です。

◎香りのイメージ

ゼラニウムの甘く優しいフローラル調の香りに、ローズマリーのシャープさとペパーミントの程よい爽やかな香りがマッチして、爽快かつリラックスできるような香りです。

~低血圧にぴったりのお風呂とは~

低血圧の方によくおすすめされている「温冷交代浴」というものがあります。 キーワードは「自律神経」。 40℃以上の熱いお湯に3分使った後、手足に冷水のシャワーを10秒間浴びせます。 これを5セット繰り返します。熱いお湯→副交感神経、冷水→交感神経と交互に刺激することにより自律神経の機能を回復させるというもの。 低血圧のみならず冷え性や自律神経失調症、スポーツ選手の身体パフォーマンス向上などにも効果的な入浴法となっています。 この方法は体に刺激が強いため、帰宅後の入浴の「リラックス」にはむきません。 ご興味のある方は休日など、日々の入浴にプラスしてお試し下さい。 お風呂上級者のテクニックですね。

暑いこの季節、シャワーのみで湯船に入らない方も多いと思います。 低血圧の方はゆっくりお湯につかってアロマレシピを試していただき、すっきり目覚めて夏の朝活を楽しみましょう!

アロマ入浴の楽しみ方

アロマ入浴は植物など自然の香りの力を借りたアロマセラピー(自然療法)を取り入れた入浴法です。 お風呂レシピに合わせたエッセンシャルオイルを直接バスタブの中に落し、よくかき混ぜてください。入浴する直前に入れると、湯けむりと共に香りが室内に広がります。 入浴時間はお好みでどうぞ。

~上級編~

お風呂レシピに合わせたエッセンシャルオイルを約40gの重曹と混ぜます。 浸かる直前にお湯に溶かしよく混ぜながらお湯に浸かります。 重曹による効果でお湯がしっとりなめらかになります。(重曹成分の入った温泉は「美人の湯」と呼ばれています)

【ご注意】

・お風呂でエッセンシャルオイル(精油)を使う場合、レシピ以上の滴数を使わないようにしてください。お肌への刺激が強すぎることがあります。(目安として200ℓのお湯に対して6滴まで)

・敏感肌の方はお湯に入れずガラスや陶器にエッセンシャルオイルを入れて芳香浴としてお楽しみください。

・肌に合わない場合はエッセンシャルオイル(精油)の使用は中止してください。

・赤ちゃん(乳幼児)には使用しないでください。

お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

松永 武さん

お風呂のソムリエ。温泉入浴指導員。バスリエ株式会社 代表取締役。一般社団法人HOT JAPAN 代表理事。2005年お風呂グッズの専門店開業。お風呂は洗う「場」ではなく「暮らす」空間として提唱しお風呂を通じて暮らしを豊かにするため「全人類!お風呂のソムリエ化計画」を遂行中。

また日本の風呂文化普及のため2015年一般社団法人HOT JAPAN設立。現在、日本独自の文化と言える「風呂」のユネスコ世界無形文化遺産登録を目指し活動中。

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