ところで、「夏は暑いので、湯船につかるのがおっくうだ!」なんてシャワーだけの方も多いのではないでしょうか。 夏でも湯船につかることはとても大切なことです。 そこで、お風呂のソムリエとして暑い夏でも楽しめる「湯上りさっぱり!夏のお悩みにおすすめの3つのアロマレシピ」をご紹介いたします。
・冷房による冷えを解消するレシピ
・蚊が寄ってこなくなるレシピ
・汗のにおいを抑えるレシピ
◆冷房による冷えを解消するレシピ◆
◎アロマレシピ
スウィートオレンジ×2滴
マジョラムスウィート×3滴
サンダルウッド×1滴
体温調節作用のあるマジョラムスイートを多めの3滴、香りの持続性があるサンダルウッドを1滴、揮発性の高いオレンジスイートを2滴という比率にしました。
◎香りのイメージ
かすかにスパイシーで温かみのある香りのマジョラムスイートが多めで、深みのある香りのサンダルウッドもブレンドされていますので、全体的に落ち着いた香りですがスイートオレンジを加えフルーティな軽やかさも感じられる香りです。
~使用するエッセンシャルオイル(精油)について~
それぞれの働きをご紹介します。
【スイートオレンジ】
フレッシュな果実そのもののシトラス調の香り。加温作用により血行を促進して老廃物を排出し体が温まりやすくなります。
【マジョラムスイート】
少しスパイシーな落ち着きのある甘めなハーバル調の香り。自律神経を調整し、心身をリラックスさせる作用があります。体温調節作用などにより、冷えの改善におすすめです。
【サンダルウッド】
落ち着いた深みのあるオリエンタル調の香り。白檀の香り。心を深くリラックスさせる作用があり精神の安定を図ります。整腸作用により、腸の働きも整えてくれます。からだも温めてくれます。
◇冷房による冷え
室内にいる時間が長い人は、暑い時期になると冷房で体を冷やし、血行が悪くなり代謝も落ちます。 代謝が落ちると老廃物を排出する力も弱まり、より冷えてしまう悪循環に。
冷房冷えしてしまった体は、お風呂×アロマでいい香りに癒されながら自律神経を整えてケアしていきましょう。 体を芯から温めるためには、38~39℃のぬるめのお湯で、じんわり汗をかくくらいじっくり湯船に浸かります。 冷房の冷えと、屋外の暑さの温度差で自律神経は体の温度調節のためとても疲労しています。お風呂で体を温めることで正常に整えましょう。
◆蚊が寄ってこなくなるレシピ◆
◎アロマレシピ
レモングラス×3滴
ゼラニウム×1滴
ラベンダー×2滴
防虫してくれるレモングラスを多めの3、それぞれ虫が嫌いな成分を含むラベンダーを2、ゼラニウムを1というブレンドにしました。
◎香りのイメージ
ラベンダーとゼラニウムの甘く優しいフローラル調の香りを、スッキリとしたレモンのような香りのレモングラスが全体を引き締め、フローラルな優しさもスッキリ感も感じられる香りです。 ~使用するエッセンシャルオイル(精油)について~ それぞれの働きをご紹介します。
【レモングラス】
爽やかなレモンとハーブを足したようなシトラス系の香り。防虫作用により蚊などの虫を寄せ付けにくくしてくれます。また、抗炎症作用もあるので虫にさされてしまったとしても有用な精油です。
【ゼラニウム】
バラに似た甘いフローラル調の香り。虫が嫌いな成分を含んでいるので、防虫に向いています。自律神経を整えてくれる精油です。
【ラベンダー】
優しい甘さのあるフローラルとハーバル調が合わさったような香り。虫よけの作用があるので防虫におすすめです。殺菌・消毒の作用があるので虫に刺されてしまった場合にもおすすめの精油です。
◇害虫を遠ざける植物の力
植物は害虫から身を守るため、虫が嫌う成分を持っている場合があります。 市販の虫よけスプレーにもその成分が利用されています。 蚊に狙われやすい人には「汗をかきやすい」「体臭が強い」などの特徴があるようです。入浴で血流を良くして、蚊をおびきよせる老廃物を排出しましょう。 入浴後もほんのり体に残る香りは蚊を遠ざけてくれます。 このアロマレシピは、虫よけだけでなく刺されてしまった場合にも効果的な、皮膚の傷の回復が早くなる作用のあるアロマブレンドです。
◆汗のにおいを抑えるレシピ◆
◎アロマレシピ
レモン×2滴
ティートゥリー×2滴
ラベンダー×2滴
どの精油も、香りそのものや作用によって汗の臭いを抑えてくれますが、香りの強さや揮発性などを考慮し同比率にしました。
◎香りのイメージ
すっとしたウッディ調の香りのティートゥリーに、揮発性の高いレモンと、優しいフローラル調のラベンダーが合わさり、爽やかさとリラックスできるような癒しのハーモニーを感じる香りです。 ~使用するエッセンシャルオイル(精油)について~ それぞれの働きをご紹介します。
【レモン】
果実そのもののフレッシュなシトラス系の香り。身体の水分バランスをとってくれます。収れん作用があり、静脈を引き締め、汗を抑えるも作用あります。爽やかな香も清涼感を与えてくれます。
【ティートゥリー】
清潔感あふれるクールな香り。万能な精油のひとつといわれています。スーッとするウッディ調の香りは気分をリフレッシュさせてくれます。また、抗菌作用により、汗の臭いを抑えてくれます。
【ラベンダー】
優しい甘さのあるフローラルとハーバル調が合わさったような香り。その香りと抗菌作用により、汗の臭いを抑えてくれます。また暑い時には、冷やす作用によって汗の量も抑えられます。
◇気になる汗のにおい!
夏は汗をかきやすく、臭いが気になってしまいます。
デオドラント作用(防臭や消臭作用)のあるアロマ入浴で、汗やにおいを抑え快適に過ごしましょう。 このアロマは汗のにおいのもとになる成分を抗菌・除菌する効果があります。
また、疲労とともに体にたまる老廃物も汗のにおいを強くします。 シャワーではなく湯船に浸かるほうが老廃物を流し出してくれますので、湯船でしっかり汗をかき、一日の疲れ(=においの元)をすっかり洗い流してしまいましょう。
夏にたくさんの汗をかき、それをお風呂で洗い流した後の何ともいえない気持ちよさ。 なぜ日本でお風呂文化が息づいてきたのかを体感できると思います。 気分的なものだけでなく、高温多湿の日本の気候風土では、皮膚の清潔を保つことも大事な役割です。夏のお風呂では特に大切な点ですので、湯船に入るのがおっくうな時もアロマの香りでさっぱり夏のバスタイムをお過ごしください。
アロマ浴の楽しみ方
アロマ浴は植物など自然の香りの力をかりたアロマセラピー(自然療法)を取り入れた入浴法です。 お風呂レシピに合わせたエッセンシャルオイルを直接バスタブの中に落とし、よくかき混ぜください。入浴する直前に入れると、湯けむりと共に香りが浴室内に広がります。 入浴時間はお好みでどうぞ。
~上級編~
お風呂レシピに合わせたエッセンシャルオイルを約40gの重曹と混ぜます。 浸かる直前にお湯に溶かしよく混ぜながらお湯に浸かります。 重曹による効果でお湯がしっとりなめらかになります。(重曹成分の入った温泉は「美人の湯」と呼ばれています)
【ご注意】
・お風呂でエッセンシャルオイル(精油)を使う場合、レシピ以上の滴数を使わないようにしてください。お肌への刺激が強すぎることがあります。(目安として200ℓのお湯に対して6滴まで)
・敏感肌の方はお湯に入れずにガラスや陶器にエッセンシャルオイルを入れて芳香浴としてお楽しみください。
・肌に合わない場合はエッセンシャルオイル(精油)の使用は中止してください。
・赤ちゃん(乳幼児)には使用しないでください。
参考文献
★精油のブレンド学 著・中村あずさアネルズ
★アロマテラピーの教科書(2008) 著・和田文緒
★アロマティック・アルケミー(2013) 著・バーグ文子
★幸せ呼び込むアロマテラピー事典(2009) 著・色映みほ
★リフレクソロジーの事典 著・塩瀬静江
★NARDケモタイプ精油事典(2015)
★NARDケモタイプ精油事典処方集(2015)
参考サイト
★アロマテラピールーム http://www.aromatherapy-room.com/
★アロマオイル効能ガイド http://aroma-guide.net/
★スキンケア大学 http://www.skincare-univ.com/
★女性の美学 http://josei-bigaku.jp/
★香りびと http://kaoribito.com/
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